銀歯の材料は金銀パラジウム合金など複数の金属を混ぜ合わせたものです。
唾液に触れ続けると表面から少しずつ金属イオンが溶け出します。これを金属の溶出と言います。溶け出す速さは一定ではなく、酸性の強い飲食物をよく摂る方や唾液の性質でも変わり、装着からの年数が長いほど進みやすくなります。

銀歯を入れてからずいぶん経つのに、鏡を見ると歯茎の際が黒っぽい。そんな経験はないでしょうか。これは金属が唾液に触れ続けて起こる変化で、体質によっては金属アレルギーにつながることもあります。
一方「セラミック」には、体との相性の良さを示す生体親和性という性質があります。組織になじみやすく、拒否反応や炎症を起こしにくいという意味です。原因不明の肌荒れに長年悩む方にも関係がある話かもしれません。なぜ今の状態が起きているのか、順を追ってお話しします。
銀歯の材料は金銀パラジウム合金など複数の金属を混ぜ合わせたものです。
唾液に触れ続けると表面から少しずつ金属イオンが溶け出します。これを金属の溶出と言います。溶け出す速さは一定ではなく、酸性の強い飲食物をよく摂る方や唾液の性質でも変わり、装着からの年数が長いほど進みやすくなります。
銀歯とほかの金属の被せ物、部分入れ歯の金属部分が触れ合うと、唾液を介してわずかな電流が生まれることがあります。いわゆるガルバニック電流で、異なる金属同士の接触で腐食が進みやすくなります。
溶け出したイオンが歯茎の組織に入り込むと、境目が黒っぽく変色して見えてきます。セラミックは金属を含まない素材のため、こうした反応は起こり得ません。

金属アレルギーは、金属イオンと体内のタンパク質が結びついてできた物質を免疫細胞が異物とみなすことから始まります。これは遅延型アレルギーという反応で、金属に触れてから数時間、時には数日たって症状が出るのがやっかいなところです。
少しずつ金属に触れ続けるうちに免疫が反応しやすくなる、この状態を感作と言います。
では、なぜ長年トラブルのなかった銀歯が、ある日突然反応を起こすのでしょうか。感作が成立するには一定の期間と量が必要で、装着から10年、20年たって初めて症状が出る方も珍しくありません。
ニッケルやパラジウムは特に感作を起こしやすい金属で、一度成立するとごく微量でも反応が起こるため、原因に気づきにくいのです。

金属アレルギーの症状は口の中だけにとどまりません。体内に取り込まれた金属イオンは血流に乗って全身をめぐり、離れた皮膚で炎症を起こすことがあります。
手のひらや足の裏に膿疱が繰り返しできる掌蹠膿疱症も、歯科金属との関連が指摘されている例のひとつです。皮膚科で塗り薬を続けても改善せず、後になって金属が関係していたとわかるケースもあります。
感作が進んだ状態を放置すると症状は繰り返しやすくなり、治療を始めても改善に時間がかかります。かゆみや湿疹が繰り返し出るという方は、口の中の金属を一度疑ってみてください。原因を取り除かない限り体は反応を続けるため、生体親和性の高い素材への置き換えが体の負担を減らす近道になります。

セラミックの主成分は酸化アルミニウムや酸化ジルコニウムといった無機化合物で、金属のようにイオン化しにくく、体の組織と反応しにくい構造をしています。
人工関節や人工骨にも同系統のセラミックが使われている点からも、歯科以外の分野で評価されていることが分かります。表面が緻密で汚れや細菌が付着しにくいため、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
さびたり変色したりせず色調が安定している点も選ばれる理由でしょう。奥歯向けの強度重視の種類と前歯向けの透明感重視の種類があり、場所に応じて使い分けられます。

当院では、金属アレルギーが心配な方や銀歯の変色が気になる方に、問診で既往歴や全身の症状、アレルギーの有無を丁寧にお伺いするところから始めます。
レントゲンやCTで状態を確認し、ご納得いただけるまで説明したうえで、セラミックへの置き換えをご提案しています。ジルコニアやオールセラミックなど種類によって強度や透明感が異なるため、噛む力や場所、費用のご希望に合わせて選んでいます。
装着前にはエアフローで着色を落とし、天然歯の色味に合わせます。一度に全部替える必要はなく、気になる部位から少しずつ進めることもできます。生体親和性という言葉は難しく聞こえますが、体に負担の少ない治療を選ぶということです。気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。